2016年3月29日、内閣府は30年以内に70%の確率で起きるとされるM7クラスの首都直下地震対策を公表しました。帰宅困難者は東京都で約490万人になると想定されています。救助・救命活動に支障をきたし、また余震等の二次被害を避けるため、一斉帰宅を抑制する【帰宅困難者に3日間の待機】の要請と、【安否確認】の重要性が強調されています。東日本大震災においても首都圏の帰宅困難者が徒歩でも帰宅が必要だった理由は【家族の安否】が突出していました。
そこで今回は、外出時に地震が発生し帰宅困難者となった場合に、安全な避難・安否確認に極めて重要な、iPhoneとモバイルバッテリーの使い方を緊急地震速報から時系列でわかりやすく紹介します。
- 事前準備
- 地震発生
- 安否を確認する
- iPhoneのバッテリーを長持ちさせる
- モバイルバッテリーの電源を節約/確保する
- まとめ
1. 事前準備
1-1. iPhoneで「緊急地震速報」を受信できるように設定する
- 設定>通知>緊急速報:オンにします。
1-2. 「東京防災」を日頃から読んでおく
防災ブック「東京防災」をWebで読むことができるサイトです。>東京防災
1-3. 安否確認手段を普段から複数準備しておく
関連記事を参照してください。「地震・台風など災害に備えておきたい防災アプリと防災サイト集」
1-4. モバイルバッテリーを外出時には必ず携帯する
- iPhoneとモバイルバッテリーを満充電の状態で外出する。
- リチウムイオン電池内蔵のモバイルバッテリー:iPhoneを2〜3回フル充電する大容量タイプが人気ですが、外出時は満充電でないと大容量のメリットが活かせないので注意が必要です。
- 電池式モバイルバッテリー:交換できることのメリットを活かすために予備電池を携帯する。
2. 地震発生
2-1. 緊急地震速報〜地震発生
緊急地震速報は、最大震度5弱以上と推定した地震の際に、強い揺れ(震度4以上)の地域(全国を約200の地域に区分)のiPhoneに一斉配信します。ただし、通話中・通信中・圏外の場合は受信できないので注意が必要です。
出典:気象庁
2-2. 自分の身を守る
出典:東京防災
2-3. 揺れがおさまってから行動する
避難のタイミング:自分のいる場所は安全かを判断する。
- YES→その場を動かない
- NO→避難場所へ移動
出典:東京防災
自宅が遠距離にある等の理由により徒歩等の手段によっても帰宅が困難になる人は東京都で約 490 万人に上るとされ、これらの帰宅困難者が徒歩等により移動を開始した場合には、応急対策活動全般に支障を来たすことが懸念され、ターミナル駅等やその周辺においては、多くの人が滞留し、混乱等が発生することも予想される。
発災後72時間は人命救助に注力すべき時期であることから、72時間を目安に帰宅困難者の一斉帰宅による混乱を抑制し、緊急輸送ルートの確保、救助・救出、消火活動の円滑な実施を行うため、また、帰宅困難者自身の安全確保のため、帰宅困難者に対する「むやみに移動を開始しない」という一斉帰宅抑制に関する事項を定め、一斉帰宅抑制について国民に協力を要請する。
内閣府:首都直下地震における帰宅困難者対応に係る計画の概要抜粋
東京都防災ホームページ内の「東京都防災ページ」では、災害時帰宅支援ステーションや一時滞在施設の情報を、オンラインの地図サービス上で提供しています。>東京都防災ページ
避難所、津波避難ビル、一時滞在施設、給水拠点、医療機関、帰宅支援ステーションなどをマップ上にピンで表示してくれます。避難場所へのルートがわからない時は、カメラを使ったAR機能で避難場所への方向をコンパスで知ることができます。オフラインでも国土地理院の地図が表示されます。>防災情報 全国避難所ガイド
オフラインでの使用に強いアプリです。GPSを利用し広域避難場所、避難所、帰宅支援ステーションなどがオフラインで検索できます。防災マニュアルもオフラインで閲覧可能です。アプリは無料ですが、地図情報は有料です。>東京23区版 災害避難マップ
3. 安否確認をする
自分の安全を確保できてから、家族や友人の安否確認をします。
Googleパーソンファインダーは、Googleによる災害時において友人や家族の安否を確認できます。人を捜している場合は「人を探している」、安否情報を開示する場合は「安否情報を提供したい」を選択して必要な情報を記入する。なお入力したデータはすべて公開され、誰でも表示、使用できます。j-anpiと連携しています。>Google パーソンファインダー
j-anpiによる、災害時において友人や家族の安否を確認できます。人を捜している場合は「人を探している」、安否情報を開示する場合は「安否情報を提供したい」を選択して必要な情報を記入する。なお入力したデータはすべて公開され、誰でも表示、使用できます。Googleパーソンファインダーと連携しています。>J-anpi安否情報まとめて検索
NTTドコモが提供する安否確認アプリです。災害用音声お届けサービス、災害用伝言板が利用できます。震度6弱以上の地震や大きな災害が発生した時に利用できます。電話回線ではなくパケット通信を利用します。通信料・月額利用料も無料です。>災害用キット
auが提供する安否確認アプリです。災害用伝言板サービス、災害用音声お届けサービスが利用できます。Googleが災害時に提供する「Googleパーソンファインダー」との連携が可能です。緊急速報メールを「通知センター」で受け取ることができます。>au災害対策
ソフトバンクが提供する安否確認アプリです。災害用伝言板、災害用音声お届けサービスが利用できます。月額利用料は無料ですが、通信料は料金プランに応じたパケット通信料がかかります。S!ベーシックパックへのご加入が必要です。 >災害用伝言板
4. iPhoneのバッテリーを長持ちさせる
iPhoneのバッテリー確保は極めて重要です。
バッテリーを長持ちさせるため、以下の関連記事を参照してください。
5. モバイルバッテリーの電源を節約/確保する
5-1. リチウムイオン電池内蔵のモバイルバッテリーの場合:電源の節約
<電源の節約>
避難時にモバイルバッテリー自体への充電は困難(ACアダプターが必要)と考えられるので、電気容量の節約に努めます。iPhoneのバッテリー残量を20〜80%の範囲内でキープするように、モバイルバッテリーを使います。
- iPhoneを電池残量0%(ブラックアウトの状態)からの充電では、OS起動に大量の電源を消費してしまい、モバイルバッテリーの容量を無駄にしてしまいます。
- iPhoneの電池残量80%以上にモバイルバッテリーで充電するのは効率が良くありません。
大容量のメリットを活かすには満充電で外出することが重要
5-2. ACプラグ付電池式モバイルバッテリー MIXJUICEの場合:電源の節約と確保
<電源の節約>
停電や避難場所の指示でコンセントが確保できない場合は、電気容量の節約に努めます。iPhoneのバッテリー残量を20〜80%の範囲内でキープするように、MIXJUICE(ミックスジュース)を使います。
<電源の確保:コンセント>
- 停電していない場合:停電時でも自家発電に切り替わる施設は多くあります。コンセントが使える環境では、iPhoneをコンセントから直接充電します。ただし、コンセントの専有は避けます。
- 電力の復旧は、上下水道や都市ガスよりも早く地域ごとに順次復旧すると想定されています。
機会を見つけiPhone・ニッケル水素電池をコンセントから直接充電する
<電源の確保:予備電池>
- 予備電池が支給または購入できる場合は確保します。ただし、発災直後の買占めは避けるよう協力を要請されています。
- 予備電池を確保する時の優先順位は、ニッケル水素電池>アルカリ電池です。マンガン電池は電池の能力が低いため実用的ではありません。
- Rechargeable JUICEの製造と、MIXJUICEの充電に関する開発評価もエネループと同じ製造工場(国内で唯一のニッケル水素電池製造施設)で行われているため、他社製電池で最もMIXJUICEに相性がいいのはエネループとなります。
予備電池の優先順位はニッケル水素電池>アルカリ電池
<MIXJUICE 商品詳細>
都市直下地震、もし「帰宅難民」になってしまったら
<激変した街の中で役に立つものとは?>
「帰宅難民3種の神器」として、(1)スマホ+電池式充電器 (2)ペットボトル1本分の飲料水 (3)携帯ラジオ+予備電池を、常にあなたの通勤バッグ等に携行しておいてください。さらに加えて、コンパス(磁石)も常備しておいてください。震災直後の街の姿は激変しています。普段、見慣れている道路案内は倒れ、ランドマークになる建物も崩壊してしまい、方角が全くわからなくなることも十分にありえます。その時に役立つのがコンパスです。おおよその自宅の方向さえわかれば、コンパスで方位を判断しながら帰ることが可能です。スマホに内蔵されているコンパスがあればそれも役に立ちます。
引用:読売新聞「震災5年|都市直下地震、もし「帰宅難民」になってしまったら」 2016年03月17日
と防災ジャーナリスト渡辺実氏(左).jpg)
出典:日経ビジネス|東京都総務局総合防災部防災管理課長の船川勝義さん(右)と防災ジャーナリスト渡辺実氏(左)
6. まとめ
混乱が少しでも収拾すれば、帰宅困難者は行政の指示や要請の範囲内で、一時避難所、コンビニやファミレスなど帰宅支援ステーションを経由しながら少しでも自宅に近づくように移動するでしょう。被災状況、電力や交通機関の復旧情報、安否確認、仕事の連絡などのために、一斉帰宅抑制が順次解除されてもiPhoneとモバイルバッテリーの電源確保はとても重要です。
この記事は、主として「東京防災」「東京都防災ホームページ」「内閣府の首都直下地震における帰宅困難者対応に係る計画」を要約した上で、iPhoneとモバイルバッテリーの使い方(電源確保、安否確認)を付加しました。
この記事を読んだ方々の防災意識向上と、もしもの時にお役に立つことにつながれば幸いです。
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